R. W.さんの依頼。
1.全音443に調律してください。
2.上げ見調整を、お願いします。
3.バルブを、交換してください。
とのこと。
3.に対処と思って表側の2枚を交換した後試奏してみたら、最低音部がほとんど音が出ません。分解してみたところ、なんと内側のバルブ数枚がチリヂリにねじれあがっています。おそらく、ドライヤかホッカイロなどの熱が加えられたことが過去にあったのではないでしょうか。格言「クロマチック・ハーモニカは人肌が好き。」を格言集に加えよう。ま、対処としてはすべて貼り替えればOKでした。
ただ、このハーモニカのバルブはすべて本来の長さより切り詰められています。貼り付きを防ぐ意味でそんな対策をしている人がいると聞いたことがありますので、その例なのかなと思いましたが、その隙間から少し息漏れがするわけで、気密性を重んじるクロマチック・ハーモニカの世界では邪道のような気がします。吹き方にも少しですが影響しています。その「少し」が大事なのですけどね。今回はその対処は見送りました。
2.かなり歴史のあるハーモニカらしく、結構上げ身がバラバラだったりしていました。低音部から高音部へ上げ身が単調減少していくように調整しました。
1.A=443Hzに64枚のリードを合わせました。さすがに、もっとも時間がかかった作業でした。