10月31日(木) ワークショップ参加、若きクロマチック・タレント・コンサート
コンテストへ出発する、和服姿の女性参加者が勢ぞろい。荷物は大変重かったとかで苦労がしのばれます。 私は、今日はコンテストは見ないでワークショップ・セミナーを受講することに決めました。 Workshop X1 Fata Morgana オランダのハーモニカ・カルテット。30年以上の歴史があるようです。演奏は、うまい!の一言です。 左から Dirk Neerhoff:Chromatic Rob Janssen:Chromatic,Chords、Harmonetta Antal van Acquoy:Chords Ronald Kamminga Robは前回のジャズ・クロマチック・コンテストの審判を務めていました。英語と独語を滑らかに話します。きっと蘭語も話すんでしょうね。 CD3枚のうち2枚を買いました。後の1枚はすでに持っていました。 自己紹介など。みんな仕事は持っていて、ハーモニカは趣味だと。趣味である以上、楽しくなけりゃ勤まらない。うん、うん。 色んなジャンルのレパートリーを持っている。奏者ごとに挑戦的なことをやるけれど、不可能なことまではやらない。自分たちのアイデンティティは崩さない。 新しい曲を選ぶにあたって考慮するのは、 誰が好きになるだろう - すべての家族、聴衆 すでにハーモニカで演奏されているか - なるべくやられていない新しいもの どんな音楽スタイルで - レパートリーを豊富にする方向で 曲の歌詞は重要性をもつか - 歌詞なしでも面白くなるようにする 難易度は - 奏者にとって挑戦的で、かつ演奏可能 編曲前の考察(1) 原曲は譜面からか録音からか - ほとんどは録音から、時には譜面から スタイルはオリジナルかそうでないものか - 必ず何か加えるのであまり違いはない 基の調か - 可能ならイエス、ハーモニカの音に合うものでなければならない 必ず何か加える 編曲前の考察(2) どんなハーモニカのくみあわせか - 奏者の可能性、各ハーモニカの機能、頭の中で描いてみる 曲の長さは - 4分以内、繰り返しを消したり、フレーズを削除したり 2つの編曲の例(1) 演奏してくれました。 2つの編曲の例(2) 演奏してくれました。 なお、最後にハーモニカ界いでは調有名な「コメディアンズ・ギャロップ」の彼らのバージョンを演奏してくれました。コードの動きの軽いこと軽いこと。もちろんバスの動きもスムーズ。 質問をしてみました。みんな暗譜ですが、覚えるのは楽ですか。回答は、楽じゃない(爆)。最初の一週間は前半だけ、次に後半だけ、最後に全部合わせてという具合にやっている。 楽じゃないという回答にちょっとはホッとした私でした。 Workshop V Keith Dunn The basics of solo-performance アメリカの奏者ですが数年前にオランダへ移住したとのこと。英語だけの説明です。 10 ホールの基礎を教えてくれました。 最初は自身がなかったけれど、みんなが勇気付けてくれたとかのお話をしてくれました。 昼食タイム。会場ではオープン・ステージが賑わっていました。 Workshop XIV Hohner Service Team ハーモニカの修理とメインテナンス。 独語の講師は女性、英語の講師は以前からの顔見知り、マイケルさん。机ごとに分かれて英語の説明を聞いていました。 内容はほとんどわかっているので、どうということの程ではありません。 Discovery 48について、初心者用にメンテナンスしやすいように開発されたものだと言っていました。ま、修理屋さんの言い分ではありますが。 修理用のマニュアルが無料でもらえます。このページのペンチはリード交換用のツールで、リードの打ち抜き(除去)と取り付け(装着)を先端の部品を交換することで簡単にやってのけることができる優れもの。確か徳永先生が2万円で売ってくれるとか。これを高いとみるか安いとみるか。私のような修理屋さんは持っていた方がいいのでしょうね。帰国したら考えよう。 リードプレートとツールが触り放題、知らない人は興味深げでした。 Workshop XV Hohner Service Team 壊れたリードの交換方法とツールキット。 引き続きこの時間帯で行われるはずだったのですが、質問や雑談に時間を取られていて中々そちらに話が進みません。リード交換の説明を聞きに来た方はがっかりしていました。私はちょっと先に出てしまったのですが、最後までいても進展はなかったそうです(苦)。 Workshop VIII Tollak Ollestad 近代ハーモニカ音色作り アメリカのハーモニカ奏者、ボーカル、キーボードと作曲を手掛ける人。 アラスカ生まれでロスで活躍しているとのこと。 色々しゃべってくれた中で、1分程メロディのフェイクの仕方をやって見せてくれたのですが、それだけでもいいなあと思わせるに十分。 結構、質問しようモードになっていてCDをここで売っているのかと聞いたら、Hohner Mastersシリーズで出ているとのこと。後で売店で購入しました。1分間の演奏でも感銘を受けたので、講座終了後その旨伝えに行ったおかげで顔見知りになってもらえました。この人、クロマチック・ジャズ部門の審査員なんですよね。 11月2日のガラ・コンサートに出演したのですが、メロディのフェイク方法は全然出てきませんで、ロック系のクロマチックのアドリブを聞かせてくれる奏者でした。当然、これまでに色々な経験を積んできているのでしょうね。購入したCDにはほぼガラコンと同じ曲が入っております。 本日の講習を終え、Hohnerのショップをうろうろしているうちに、ツアーバスでホテルに戻っていた人たちがコンサータを聞きにやってきました。 本日のガラ・コンサートは「若いクロマチック・タレント達」。 1番バッターは香港のCheuk Yin HO。これがまた抜群のうまさ。膝を折ってリズムを取るスタイル、人によってはそれに注文を付けるらしいですが、私は私が感じたことを信用します。いいと思いました。前回若手の部でソロとデュオでチャンピオンになっています。素晴らしいテクニックとフィーリング。よく成長なさいました。 2番手は日本の稲川さん。前回アダルト部門のチャンピオンになって選ばれたものです。今回は審査員とワークショップの講師を務めました。演奏はもちろん上手ですが、震災の思いを込めた「さくら」などを入れたため、ちょっとおとなしめの演奏だったかな。でも、ドイツの友人から「君のモーツァルトは本物だ。」と言われて喜んだとFace Bookに書いていました。私はクラシックの素養があんまりないからねえ。 3番手は英国のPhilip Achille。 昔、2000年に英国で国際大会があった時に私も出たのですが、稲川さんやAchilleさんはそのときはまだ坊やの部類で、二人もそこで友達になりました。後で挨拶に行ったところ、そのときのことを覚えていてとてもうれしそうにしていました。オーケストラと共演したり大活躍しているようです。 4番手はクインテットで台湾で2001年から活躍しているアンサンブル。あれ、4人だ。そうか、バス奏者が写っていない。これがまたすごいのなんのって。後でワークショップも受け、CDも買いましたが、コード奏者の刻みには驚嘆すべきものがあります。アドラー・トリオの影響を受け自分たちで研究しているようです。設立10年で世界大会に出るべきだと思い立ち、やってきたとのこと。CDの内容と同じプログラムだったようです。 若手がこんなに育っていることに意を強くしました。ただ、オーストリア・チームやドイツ・チームがあまり見当たらず、アジア勢進出のあおりを食っているのかなとちょっと心配になりました。 さて、ツアーバスでホテルに帰るころにはほとんど12時。 あ、そういえば今夜はハロウィーン。ホテルの近くにこんな人たちが。快く撮影に応じてくれました。 ドイツのホテルの布団って、とても気持ちがいいです。毎晩ぐっすり眠れています。
by chromclass
| 2013-11-13 04:01
| 旅
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