ハンド・ビブラート(ハンド・カバー・ビブラートではありません、念のため)はハーモニカを前後に揺らせて強弱のビブラートを作り出します。
これまでも教室で何とかうまくやってもらおうと指導してきましたが、中々習得してもらえません。
先日ダンスの休憩時間中に考えていて、はたと気付いたことがありました。それを柏教室で黒板上に描いてみました。
手を揺らしてというと、大方の生徒はまずハーモニカを離す、近づけるの連続で手を動かします。で、自分の動かし方をもう一度よく考えてみると、ハーモニカを近づける、離すという風に動かしているのが感じられました。なるほど、そこかと閃きました。
横隔膜ビブラートのかけ方を考えてみると、
わうわうわうわう(強弱強弱強弱強弱)
と16分音符位の速さで強弱を出すわけです。ハンド・ビブラートでも、強弱の波を作るには、ハーモニカを近づける(唇に押し付ける)、離すの繰り返しでなければなりません。自分では無意識にそうやっていたのですが、生徒さんが離す、近づけるとやっているのを見過ごしていたのです。離す、近づけるでは一生懸命ゆっくりと動かしてくださいと言っても、ゆっくりの動きには中々ならなかったのです。それで逆に近づける、離すの繰り返しにしてもらうと、すぐにゆっくりした動きになるようです。
これですよ、これがコツなんですよ。
ハンド・ビブラートは森本大先生が達人で、あの素敵な音色が生み出されるのですが、大先生の場合はさらにそれと横隔膜ビブラートを同期させてよりきらびやかなビブラートを生んでいるように思っています。私自身、それに近づけるべく努力しています。
コツをつかんだら、ぜひ「ふるさと」をゆっくりしたテンポで吹いて、ビブラートを効かせて下さい。聞く人を感動させること請け合いです。他のゆっくりの曲にもどんどん応用してください。