最近、ハーモニック・オムニバスの練習においても教室の練習においても半音階練習を取り入れています。オムニバスの場合には、練習曲の中に半音階進行する部分が出てきたのがきっかけです。また教室では、低音が出にくい人に対し、腹式呼吸の対策として取り入れているものです。
一度も半音階練習をしたことがない人にとっては、かなりパニックに陥るようです。観察していると、半音階12音を一気に吹こうとするわけですが、吹き吸いが交互ではないことに対する戸惑い、レバーを押す、押さないの判断に対する戸惑い、足踏みと連動させられないことに対する戸惑い、速く吹こうとすることで生じる混乱などが見られます。
そこで、12音を3つの部分に分けて吹くことをやってもらいました。
C C# D D# E F F# G G# A A# B C---
C B A# A G# G F# F E D# D C# C---
と吹きたいところを、まあ、あせらずに、先ずは上昇部分について
C C# D D# の部分
E F F# G の部分
G# A A# B C--- の部分
を別々に練習してもらい、しかる後にそれらをつなげて吹くわけです。それぞれ16分音符の長さに設定するので、4音で1拍、足踏みは1回ずつです。最後のC---で延ばすので、12音+1音で4拍、つまり1小節分として吹くことになります。速く吹ければもちろんOKなのですが、あせって中々そうはできないもの。そうした場合、全体をゆっくりにすればいいのですが、そこに思い当たる人が中々いないですね。
昔の忍術のジャンプの練習同様、最初はとてもゆっくり、そして頭に記憶されたところで、少し速くしてみる、また少し、また少し。
楽譜に書かないと吹けないという人もいましたが、とりあえず暗譜でやってもらいました。
できると、下降部分について同様にこなしていけばよいわけですが、結構時間を費やすので、まだそこまで成功した人が出ません。継続が大事です。
次の課程では、Cから始めるのではなくてC#から始めたり、1拍4音でなく3音(3連符)の練習をしたりするとよいのですが、次回に持ち越しですね。まあ、ゆっくり取り組みましょう。